「ライブドアは利益相反の決議を行っていない」ライブドア事件証人・小谷 彰彦氏への検察側反対尋問

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「ライブドアは利益相反の決議を行っていない」ライブドア事件証人・小谷 彰彦氏への検察側反対尋問

小谷 彰彦氏(コンフィアンス・サービセス代表)の証言は、大鹿 靖明「ヒルズ黙示録 検証・ライブドア」第 7 章「IT 許永中」を読んでいると、理解が深まります。

コンフィアンス・サービセス

  • クレディ・スイス銀行のプライベート・バンキング部門の手伝いをしている
    • クレディ・スイス銀行は日本に支店がないので、顧客との仲介を担当
  • 顧客には、法人も富裕層の個人もいる
    • 個人の場合、企業オーナーが多く、余資を長期運用している
    • ライブドア内で顧客になり得るのは、堀江 貴文被告(ライブドア前社長)のみだろう
  • クレディ・スイス銀行との関係がライブドア事件によりギクシャクしたため、平成 18 (2006) 年 12 月で契約解消
    • 平成 19 (2007) 年以降の仕事は未定
  • 堀江被告の個人資産で、証人が知っているものは以下の通り
    • ライブドア株 1 億 5000 万株強
    • 余資 30 億円
    • エバトン・エクイティとフリーマントルに 26 億円

取調べ

  • 平成 18 (2006) 年 1 月 16 日の検察庁による強制捜査後、日下部 治郎氏(クレディ・スイス銀行マネージャー)に「私だったら、事情聴取で話さない」とメールを送信した
    • 証人か日下部氏か覚えていないが、「喋らない罪はない」とのメールもあった
    • 「都合の悪いことは話すな」という意味ではなく、スイスの守秘義務を指している
      • スイスの銀行員が日本で顧客情報を漏らしても、スイスで刑事罰の対象になるから
      • 日下部氏の方が、守秘義務が強い
    • 証人も日下部氏も、検察に 100 % 協力している
  • 強制捜査後、パソコンのデータを削除した
    • 顧客のデータは、定期的に削除している
    • JMAM サルベージ 1 号投資事業組合が、ライブドア株をケンドリス社に売却した後に資金移動したデータも削除した
      • 顧客のデータが流出することを恐れた
      • 強制捜査が原因ではないし、押収されるとまずい、と刑事罰を恐れたのでもない
    • 森田検事に削除理由を聞かれ、今と同じことを答えた
      • (「供述調書に『削除したことを後悔しています。反省しています』とある」との検察側に対し)後悔していなかったが、森田検事に「まあ、いいじゃない」と言われ、署名・捺印した
      • 民主党の永田 寿康衆議院議員(当時)の偽メール事件の頃だったので、軽い気持ちで署名・捺印した
      • パニックになって署名・捺印した訳ではない

ケンドリス社によるライブドア株売却

  • 平成 17 (2005) 年 12 月頃、ケンドリス社が JMAM サルベージ 1 号投資事業組合から購入したライブドア株を売却すると、宮内 亮治被告(ライブドア元取締役)と中村 長也被告(ライブドアファイナンス前社長)は、とても喜んだ
    • 「このことを知っているのは、3 人しかいない」と言ったのは、中村被告だと思う
      • 宮内被告は、はしゃいでいただけだった
      • 堀江被告が個人で 88 億 2000 万円のリスクを負って、ローンまで組んでいることは、事前も事後も報告していないのではないか、と思った
    • 聞いてもいないのに、宮内被告と中村被告は「ホッとした」を連発した
  • 6 月頃は、堀江被告は契約内容を理解している、と思っていたが、12 月頃に疑問を持ち、平成 18 (2006) 年 3 月 6 日に、拘留中の宮内被告の弁護士から証人へメールが送信されて確信した
    • 堀江被告が 2 〜 3 分でサインしているのは、事前に説明を受けているからだろう、と思っていた
    • 証人が折衝するのは、基本的に宮内被告と中村被告で、稀に熊谷 史人被告(ライブドア元代表取締役)と落合 紀貴氏(ライブドア執行役員)
    • 宮内被告と中村被告が堀江被告にどう報告しているかは、知る立場にない

エバトン・エクイティの出金

  • パイオニア・トップ・インベストメント PTI へ 4000 万円を送金した
    • 送金当日か前日に、「香港への投資」と聞いた
    • 平成 16 (2004) 年 9 月中旬に、送金指示書を証人が手書きで作成した
      • 宮内被告と中村被告のサインを貰って、クレディ・スイス銀行に FAX で送信した
      • 日下部氏はスイスから香港に転勤していた頃なので、送付先が日下部氏か不明
    • 送金先は宮内被告の口座だが、中村被告から聞いた、と思う

JMAM サルベージ 1 号投資事業組合

  • 平成 17 (2005) 年 3 月に、JMAM サルベージ 1 号投資事業組合が所有するライブドア株の購入を宮内被告から相談された
    • 市場価格 300 円前後に対して、取引価格 700 円
    • 購入するのは、当初ドクター・ハウリかエバトン・エクイティだったが、結局購入しなかった
      • エバトン・エクイティのベネフィシャリー・オーナーはライブドアで、ドクター・ハウリ経由で JMAM サルベージ 1 号投資事業組合に投資していたため、「複雑な自社株購入になるから、ケンドリス社にした方がいい」と提案した
      • ケンドリス社であれば自社株購入ではなく、ライブドア株を持って然るべき堀江被告が購入することになる

エバトン・エクイティ

  • 平成 18 (2006) 年 3 月 6 日の拘留中の宮内被告の弁護士から証人へのメールに、「CS にある BVI の 30 億円はライブドアのものではないので、ライブドアと堀江被告に相談するまで動かさないで下さい」との伝言があった
    • 傍聴者注:CS と BVI は、それぞれ Credit Suisse(クレディ・スイス)と British Virgin Islands(イギリス領ヴァージン諸島)を指すものと思われる
    • 平成 17 (2005) 年 6 月以降は、堀江被告個人の資産運用をしていた
    • 30 億円は韓国株の売却益で、堀江被告のもの
      • 「ライブドアのものではない」「動かすな」と言われる筋合はない
      • 宮内被告と中村被告の指示で、エバトン・エクイティとフリーマントルを使って運用した
      • 堀江被告は知っている、と思っていた
    • 既に、スイスで凍結されていた
    • (「拘留中の宮内被告が、弁護士を通じて事後処理を伝えたのは当然ではないか?」との検察側に対し)そうは思わなかった

JMAM サルベージ 1 号投資事業組合

  • 3 月に JMAM サルベージ 1 号投資事業組合によるライブドア株の売却を相談されたとき、中間期末のために利益を先取りしようとしているのだろう、と思った
    • 自社株購入は、クレディ・スイス銀行のコンプライアンス部門に対する説明が長くなるから、オーナーである堀江被告が購入することを提案した
    • フリーマントルのベネフィシャリー・オーナーを堀江被告にして、ローンを組んだ
      • (「ライブドアの預金を担保としており、ライブドアの協力が必要ではないか?」との検察側に対し)堀江被告は購入するだけでなく、リスクとリターンも引受けている
      • 堀江被告のライブドア株を担保とすることは難しいが、ライブドアの預金を担保とするのは簡単
      • ライブドアの預金を担保に 70 億円強のローンを組むことについて、ライブドアは利益相反の決議を行っていない
      • (「利益相反の決議を行っていないのは、大問題だ」との検察側に対し)宮内被告と中村被告が実行して、堀江被告が責任を取る形になった