「中村被告『宮内被告は麻原 彰晃』」ライブドア事件証人・小谷 彰彦氏への弁護側主尋問

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「中村被告『宮内被告は麻原 彰晃』」ライブドア事件証人・小谷 彰彦氏への弁護側主尋問

小谷 彰彦氏(コンフィアンス・サービセス代表)の証言は、大鹿 靖明「ヒルズ黙示録 検証・ライブドア」第 7 章「IT 許永中」を読んでいると、理解が深まります。

コンフィアンス・サービセス

  • クレディ・スイス銀行の手伝いをしている
  • 平成 16 (2004) 年 6 月頃、シークエッジの白井 一成氏に宮内 亮治被告(ライブドア元取締役)を紹介された
    • 当時、白井氏はクレディ・スイス銀行に約 50 億円の預金があった
    • 宮内被告の個人口座とシェルカンパニーを作ることになった
    • 個人の資産運用ということなので、証人が所有していたエバトン・エクイティ・リミテッドを 7 月に宮内被告へ売却した
      • 中身がないので、代金は手数料の数千ドル程度
      • 当初、エバトン・エクイティの名義は宮内被告だった
  • 7 月か 8 月に、ライブドアの口座も作った

ライブドアとクレディ・スイス銀行の打合せ

  • 7 月 26, 27 日に、大きな打合せが行われた
  • クレディ・スイス銀行側からは、日下部 治郎氏(クレディ・スイス銀行マネージャー)・日本担当者のローラン・ルップ氏・証人が出席した
  • ライブドア側からは、宮内被告・塩野 誠氏(ライブドア証券取締役副社長)・大久保 紀章氏(ライブドア執行役員)が出席した
    • 大久保氏は、英語のできる社員として参加した
    • 主に、宮内被告が話した
    • 堀江 貴文被告(ライブドア前社長)は、最後の 5 分か 10 分だけ顔を出したかもしれない
  • ライブドアの口座について、打合せを行った
    • エバトン・エクイティの話は出なかった
  • 中村 長也被告(ライブドアファイナンス前社長)は、直後に宮内被告から資金管理担当者として紹介された
  • 10 月までに、ライブドアの口座に 3 回合計 55 億円が入金された
    • 預金を担保に、エバトン・エクイティがローンを組むため
      • 9 月 16 日に 3 億円
      • その後、44 億 5000 万円と 4 億 7500 万円
      • 合計 52 億 2500 万円が融資された

エバトン・エクイティの出金

  • パイオニア・トップ・インベストメント PTI への 4000 万円の出金は、宮内被告か中村被告の指示
    • 「香港への投資」と聞いた
  • 9 月 30 日に 44 億 8200 万円を出金して、イーバンク銀行株を購入した
    • イーバンク銀行株の購入は、出金の 2, 3 日前に中村被告に聞いた

堀江被告と 1 回目の面会

  • 堀江被告に会ったことが確実なのは 3 回
  • 1 回目は、10 月末にライブドアの会議室で行われた打合せ
  • スイスからケンドリス社のエイドリアン・エッシャー氏が来日し、堀江被告・宮内被告・白井氏・証人が出席した
    • ケンドリス社は、ドクター・ハウリの信託会社
  • JMAM サルベージ 1 号投資事業組合の資金をエバトン・エクイティに移動するための打合せを行った
    • 出会い系サイト運営会社キューズ・ネットや消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)の買収のために白井氏に 45 億円を借りて、ドクター・ハウリ経由で JMAM サルベージ 1 号投資事業組合に入金していた
  • 契約書は、ケンドリス社が作成した
    • 英語で 5 〜 10 ページの契約書が 7, 8 通
    • 堀江被告は、全ページにサインした
      • 内容には質問せずにサインしようとして、「漢字だっけ?英語だっけ?」と聞いた
      • 証人が「パスポートと同じサインをお願いします」と言うと、中身を見ずに漢字でサインした
      • 打合せで、契約内容については説明していない

堀江被告と 2 回目の面会

  • 堀江被告に 2 回目に会ったのは、平成 17 (2005) 年 8 月頃の打合せ
  • 出席者は、堀江被告・中村被告・日下部氏・証人の 4 人
  • 堀江被告個人の資産運用について、打合せを行った
    • 株式売却益の運用方法を提案した
    • 堀江被告の個人口座に、30 億円が入金された
      • ニッポン放送株を買増すための担保として、2 月にクレディ・スイス銀行に堀江被告の個人口座を開設していた

堀江被告と 3 回目の面会

  • 堀江被告に 3 回目に会ったのは、10 月末
  • クレディ・スイス銀行から表敬訪問した
    • クレディ・スイス銀行側からは、アジア担当のジョー・ストレイン氏他 1 名が来日し、日下部氏・証人と出席した
    • ライブドア側からは、堀江被告以外に宮内被告か中村被告が出席した
  • 堀江被告は宮内被告か中村被告に、「これ、何の打合せだっけ?」と小声で言った
    • 事前に伝えておいてほしい、と思った
  • 表敬訪問なので、宇宙やモナコ GP の雑談をした

堀江被告のサイン

  • 堀江被告のサインが必要になることは多かった
  • 証人の以前の事務所が六本木ヒルズの傍だったので、ライブドアに契約書を持参して中村被告に渡した
    • 堀江被告がいれば、2 〜 3 分でサインされた書類が戻ってきた
    • 堀江被告がいなければ、契約書を預けて数日後に取りに行った
  • 契約書は 2 〜 3 分で確認できるものではない
    • 全文英語だし、金融の契約書だから、内容確認には何時間も掛かる
  • 中村被告から、「堀江被告は躊躇せずにサインする」と聞いた
  • 落合 紀貴氏(ライブドア執行役員)から、「堀江被告は盲サインですから」と聞いた

JMAM サルベージ 1 号投資事業組合

  • JMAM サルベージ 1 号投資事業組合がライブドア株を 1260 万株を所有していることは、3 月 31 日の宮内被告からのメールで知った
    • 全株をドクター・ハウリかエバトン・エクイティで購入することを相談された
      • 取引価格は 1 株 700 円とのことだったが、市場価格は 300 円前後だった
  • 「ドクター・ハウリやエバトン・エクイティへ移すのは、自社株をグルグル回しているだけなのであり得ない。堀江被告が個人で購入すればいい」と提案すると、宮内被告も納得した
    • 購入費用の 88 億 2000 万円(700 円 * 1260 万株)は、クレディ・スイス銀行のライブドアの口座の 130 億円を使うか、預金を担保にローンを組む
  • 預金の一部を使う一方、フリーマントルという会社を新しく作り、預金を担保に 70 億円強を貸付けた
    • フリーマントルのベネフィシャリー・オーナーは、堀江被告
    • リスクもリターンも、堀江被告が引受けた
    • フリーマントルが返済不能になっても、クレディ・スイス銀行は担保があるので取りっぱぐれない
  • 堀江被告は、購入した瞬間に 50 億 4000 万円((700 - 300) 円 * 1260 万株)の含み損が発生した
    • 豪快や太っ腹という印象を受け、オーナーは大変だ、と思った
      • JMAM サルベージ 1 号投資事業組合で売れなかったライブドア株を高値で引受けねばならないから
  • 堀江被告は、10 通くらいの契約書にサインした
    • 証人が立ち会ったことはなく、契約書を中村被告や落合氏に渡した
      • 2 〜 3 分でサインされて戻ってきたこともある
    • 個人の取引なので、宮内被告や中村被告が十分な説明をしている、と思っていた
  • JMAM サルベージ 1 号投資事業組合は、ケンドリス社にライブドア株を売却したことで利益を得て解散した
    • JMAM サルベージ 1 号投資事業組合の資金は、ドクター・ハウリとエバトン・エクイティ経由でライブドアかライブドアファイナンスに戻すのが本来の姿
      • 中村被告に「エバトン・エクイティの名前を出したくない」と言われて、コンフィアンス・サービセス経由でライブドアに戻した
    • 利益は 26 億 5000 万円
  • 6, 7 月には、中村被告と週に 2 回くらい会っていた
    • 中村被告に抗議したこともある
      • 3 月の中間決算で 26 億 5000 万円を利益計上したことについて、田中 慎一氏(港陽監査法人公認会計士)に質問された
      • 田中氏は二言目には「監査証明を出さない」と言うので、不本意だった
      • 中村被告は溜息混じりに、「宮内被告の指示は絶対ですから」「宮内被告は麻原 彰晃(松本 智津夫死刑囚)ですから」と言っていた
      • 中村被告は宮内被告に服従しなければいけないのだ、と思った
  • 12 月に株価が 700 円を超えたので、ケンドリス社はライブドア株を売却してローンを返済した
    • 堀江被告の個人資金なのに、宮内被告と中村被告は尋常でなく喜んでいた
      • 宮内被告と中村被告は堀江被告に詳しい説明をしていないのだろう、と思った
    • 宮内被告と中村被告が「ホッとしました」「このことを知っているのは、3 人しかいない」と言うので、「もう 1 人は?」と尋ねると、「経理担当の女性」と答えた
      • 「堀江被告は?」と思った

エバトン・エクイティ

  • エバトン・エクイティには、26 億円くらい残っている
  • 平成 18 (2006) 年 3 月 6 日に、拘留中の宮内被告の弁護士から証人へメールが来た
    • 宮内被告から「CS にある BVI の 30 億円はライブドアのものではないので、ライブドアと堀江被告に相談するまで動かさないで下さい」との伝言があり、驚いた
      • 傍聴者注:CS と BVI は、それぞれ Credit Suisse(クレディ・スイス)と British Virgin Islands(イギリス領ヴァージン諸島)を指すものと思われる
      • 平成 17 (2005) 年 6 月に、「今後は、堀江被告個人の資産運用をお願いします」と言われたのに「ライブドアのものではない」とあり、事件発覚後も宮内被告が資金を管理しようとしていたから
      • エバトン・エクイティとフリーマントルは、サイナーは宮内被告だがベネフィシャリー・オーナーは堀江被告なのに、「ライブドアと堀江被告に相談するまで動かさないで下さい」とあり、腰を抜かした

取調べ

  • 1 月 27 日に、証人にも強制捜査が入った
  • 取調べは、合計 30 回くらい行われた
    • 村上ファンドについても、6 月に 3, 4 回くらい
  • 担当は 3 月末まで森田検事で、森田検事の転勤後は市川 宏検事
  • PTI やパシフィック・スマート・インベストメント PSI についても供述した
    • 2 月末の週刊誌の記事に驚いて、「4000 万円を送金した」と言った
      • 森田検事は資料が揃っていなかったので、手応えはなかった
    • 4 月 14 日に、「エバトン・エクイティを作った直後の取引で、その時点のベネフィシャリー・オーナーは宮内被告だから、宮内被告の PTI の口座に 4000 万円を送金して、フェラーリを購入してもいいんじゃないですか?」と市川検事に言った
      • 市川検事は執着しなかった