「堀江被告を尊敬できるところはある」ライブドア事件証人・伊地知 晋一氏への弁護側反対尋問
堀江被告と宮内被告の関係
- 堀江 貴文被告(ライブドア前社長)は、宮内 亮治被告(ライブドア元取締役)を「宮内さん」と呼んでいた
- 宮内被告は、堀江被告を会社では「社長」、プライベートでは「堀江さん」、堀江被告がいない場では「堀江」と呼んでいた
- 堀江被告は、宮内被告に一目置いていた
- 一番の稼ぎ頭だったから配慮していたし、宮内被告の判断を信頼していた
- 宮内被告に辞められると困る、と思っていただろう
- 堀江被告と宮内被告のグループは、明確ではないが社内にあった
- 宮内被告のグループは、ファイナンス関連事業担当者
- 堀江被告のグループは、その他
- 堀江被告が、宮内被告の了承を得ずにファイナンス関連事業を行うことはないだろう
- 宮内被告の部下も、宮内被告を介さずに動くことはないだろう
- 宮内被告は、本音では「稼ぐ奴が偉いのだから、自分は偉い」と思っていただろう
- 「堀江被告が稼いでいない」という意味ではない
- 堀江被告が宮内被告に気を遣っている、と感じたこともある
- 堀江被告から、宮内被告をあまり怒らせないように言われた
- 宮内被告を怒らせるとどうなるかは聞かなかった
- 堀江被告と宮内被告が、激論を交わしたこともある
- 社員の給料を決める 360 度評価法について、「能力より人気で評価が決まる」とお互いに机を叩くくらい
ライブドアの本業
- ライブドアの本業はメディア事業だ、と思う
- ポータル・サイトは、成長するまでに時間と費用が掛かる
- Yahoo! の場合、 5 年掛かっている
- ライブドアは当初「1 年で頑張ろう」と言っていたが、証人は 2 〜 3 年と思っていた
- 初期投資は、サーバー購入・サーバー設置場所・システム開発・インフラ整備など
- 収益源は、広告掲載
- 広告単価を上げるには、利用者数や閲覧回数を増やさなければならない
- ポータル・サイトは、成長するまでに時間と費用が掛かる
- 実際は、ライブドアはファイナンス事業で稼いでいた面はある
ライブドアの戦略会議
- 出席者が、自分の意見を言うことは可能
- 堀江被告が反対すると、議論になる
- 議論の時間は人によるが、証人の場合は 1 時間くらい討論したため、宮内被告に「他でやれ」と文句を言われたことがある
- 堀江被告と最後まで意見が合わなくても、降格されたり給料が下がったり解雇されたりはしない
- 堀江被告が反対すると、議論になる
メディア事業部からバリュークリックジャパンへの売上
- 平成 16 (2004) 年 3 月に、ライブドアはバリュークリックジャパン(現・ライブドアマーケティング)を買収した
- 4 月以降、メディア事業部はバリュークリックジャパンから「アドネットワークに広告を出してくれ」と頼まれ、実際に 6 月までに発注した
- 6 月に、広告費と手数料の合計で 1500 万円を支払った
- 半額くらい割引いてもらった
- 契約書は交わしていない
- 6 月に、広告費と手数料の合計で 1500 万円を支払った
- (「バリュークリックジャパンに『広告単価を上げてくれ』や『広告量を増やしてくれ』と言われなかったか?」との弁護側に対し)営業部長に「広告量を増やしてくれ」と言われた
- メディア事業部の赤字が増えるから、応じなかった
- メディア事業部からバリュークリックジャパンへ広告を発注したことは、以下の理由により堀江被告も知っていた、と思う
- 稟議書で予算が上がっている
- バリュークリックジャパン買収当時、堀江被告は「広告の空枠をライブドアが使えるのがメリット」「グループ会社は広告費を割安にできる」と言っていた
- 7 月 7 日の堀江被告から証人への「バリュークリックジャパンが若干赤字なので、売上を付けてあげたら」というメールは、「仕事を発注しろ」という意味だと理解した
- バリュークリックジャパンの赤字額は、頭になかった
- 赤字のメディア事業部に対して、「売上を付けてあげたら」とはあまり言わない
- 黒字のライブドアファイナンスに対しては、あったかもしれない
- 4, 5, 6 月分の発注と理解した
- 期ずれになるが、バリュークリックジャパンとは貸し借りがあったし、グループ会社なので深く考えなかった
- 四半期ずれても通期で合えばいい、と思っていた
- バリュークリックジャパンとは、以下の貸し借りがあった
- 広告を安く出した
- バリュークリックジャパンの営業員 3 人か 4 人が、ライブドアの営業を肩代わりしていた
- 営業を借りられることが大切だった
- ジョナサン・ヘンドリックセン氏(バリュークリックジャパン元社長)に、「ライブドアは広告ビジネスをしているのに、営業部を作るまで時間が掛かるから、それまで営業を代行してくれ」と頼んだ
- バリュークリックジャパンの営業員は、ライブドア専従ではなくバリュークリックジャパンと兼務
- 広告が販売された場合、他の代理店よりも高い手数料を支払っていた
- 営業代行は、平成 17 (2005) 年春頃にメディア事業部に営業部署ができるまで続いた
- ライブドアとバリュークリックジャパンの貸し借りはバランスがとれていた、と思う
- その後、小宮 徳明氏(バリュークリックジャパン元取締役経理部長)から発注項目について、メールを受取った
- 堀江被告のメールを受けて、平成 16 (2004) 年 7 月 7 日に証人は宮内被告へメールを送信した
- 断るのではなく、仕事を発注するつもりだった
- ヘンドリックセン氏とも調整したと思うが、覚えていない
- 7 月 12 日の戦略会議の前には、発注していない
- 7 月 12 日の戦略会議で、堀江被告に「何で売上付けないの」と言われた記憶はない
- 堀江被告が小宮氏に「何でまだ黒字になっていないの」と言ったり、宮内被告が証人に「うちから上乗せして発注するから、その分をバリュークリックジャパンに発注すればいい」と言った記憶もない
- 戦略会議を受けて、ヘンドリックセン氏や小宮氏と打合せを行ったか覚えていない
- ライブドアファイナンスからメディア事業部への 7000 万円の売上は、上乗せされずに支払われた
- 小宮氏のメールに従って、コンサルティング費として 1500 万円の発注を行った
- (「7 月 12 日の宮内被告のメールでは、3000 万円になっている」との弁護側に対し)小宮氏の金額しか知らない
- 実際のコンサル作業はなかった、と思う
- バリュークリックジャパンとの貸し借りの一部として、バランスを取っていた
- バリュークリックジャパンへの広告発注は、7 月から 11 月頃まで行った
- バリュークリックジャパンの媒体に、表示回数保証型でライブドアの各サービスの広告を出稿した
- コンサル費の 1500 万円とは別に、広告費を支払った
- 定価の 6 割くらいの割安な額
出会い系サイト運営会社キューズ・ネットからメディア事業部への売上
- 8 月頃に、林 類氏(キューズ・ネット代表取締役)から頼まれた
- 11 月まで続けなかった理由は、思い出せない
- メディア事業部と出会い系サイト運営会社キューズ・ネットの間に、貸し借りはない
- 9 月 10 日の丹澤 みゆき氏(ライブドア執行役員)から証人と林氏へのメールには、林氏のメールが引用されており、更に丹澤氏の「出会い系サイト運営会社キューズ・ネットの売上を月 4500 万円で 3 ヵ月計上されるそうですが、メディア事業部で計上して OK ですか?」というメールが引用されており、これが端緒
- 出会い系サイト運営会社キューズ・ネットの広告を貰える、と思った
- 仕事をするつもりだったが、契約書の通りにしなければいけない、という意識はなかった
- 契約書にそぐわない、と思ったが、対価に見合う仕事をすればいい、と考えた
- 期ずれは気になったが、何が何でも期内にしなければいけない、とは思わなかった
- 時期はともかく、広告を掲載した
- 11 月中旬以降に、バナー広告
- バナー広告掲載終了後から最近まで、ライブドアのメニューの「結婚」などの項目にリンク
- 一般に、バナーとメニューではメニューの広告費の方が高い、と思う
- 出会い系サイト運営会社キューズ・ネットは、自分のサイトに広告を掲載することもできる
- 出会い系サイト運営会社キューズ・ネットから受取ったのは、1 億 3500 万円だけ
- 事件後も、ライブドアのメニューの「結婚」などの項目にリンクしているが、その分は請求していない
- 実際に掲載した広告を金額に換算するのは、難しい
- メニューにどうリンクするか、にもよる
- 1 億 3500 万円に見合っていた、と思う
消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)からメディア事業部への売上
- 10 月 14 日の丹澤氏からメディア事業部経理担当の萩原 チエリ(表記不明)氏へのメールは Cc: で証人にも送信され、1 億 8000 万円が 3 億 1500 万円に変更されている
- 当時、読んだだろう
- Cc: で送信されるメールも読むが、見落としもある
- 3 億 1500 万円に変更されたことは、このメールで知った
- 8 月下旬か 9 月上旬に、各事業部の責任者が宮内被告に集められたことは記憶にない
- 消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)側の担当者は岡崎氏
- 最初に岡崎氏から注文を受けたのは 5 月で、消費者金融会社マルフクのバナー広告をライブドアのトップページ右上に掲載した
- ベタ貼りもローテーションもあった
- 10 月頃に消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)のバナー広告と入替えるまで続いた
- 消費者金融会社マルフクと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)の関係は、考えなかった
- 消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)のバナー広告は、平成 17 (2005) 年 3 月頃まで続いた
- ライブドアのトップページ右上やそれ以外に、バナー広告のみを掲載した
- 広告費は、請求していない
ライブドアの決裁
- 一般に、WEB 上で電子決裁を行う
- 月末でなければ、証人は日に平均 50 件くらいを処理する
- 月末は 100 件以上
- 期末は 100 〜 200 件以上
- 証人は、席に戻るとメールの確認と決裁を行う
- 1 件につき 3 秒くらいで、件名・顧客名・金額などを見る
- 架空売上は、8 月にネットワーク事業部でもあった
- 金額は 5 億円くらいで、期間は半年くらい
- 売上先は IT 企業だと思うが、覚えていない
- 熊谷 史人被告(ライブドア元代表取締役)が「おかしい」と気付き、調査した
- 実行者は中俣 敏郎氏(ライブドア執行役員)で、責任者は照井 知基氏(ライブドア執行役員)
- 照井氏は、気付かずに決裁していた
堀江被告と法律違反
- 堀江被告は、違法性を指摘されれば実行しないだろう
- ライブドア証券の外国為替保証金取引サービスであるライブドア FX についても、法律に触れずに顧客を増やす方法を話していた
証人の肩書
- 平成 16 (2004) 年初めに、ライブドアのメディア事業部執行役員副社長になった
- 直属の上司は、堀江被告
- メディア事業部の責任者になったのは、平成 15 (2003) 年 11 月 1 日にメディア事業部が設立されたとき
- 3 月か 4 月から 10 月までは、社長室長兼グループマネージャーだった
- 直属の上司は、堀江被告
証人の民事訴訟
- ライブドアマーケティングの取締役として、「有価証券報告書の虚偽記載」と「偽計・風説の流布」で民事告訴されている
- ライブドアマーケティングの業績粉飾については、資料を見ないと分からない
- 訴状が届いたのは 1 ヵ月半くらい前で、8000 万円の損害賠償を請求されている
- 答弁書を提出して訴状について質問し、事実関係を争っている
7 月 12 日の戦略会議
- 平成 16 (2004) 年 7 月 12 日の戦略会議に、堀江被告が出席したか覚えていない
- 堀江被告はあまり欠席しないので、出席していただろう
- 宮内被告に、「メディア事業部からバリュークリックジャパンに売上を付けるのと引換に、ライブドアファイナンスからメディア事業部に売上を付ける」と提案されたことはない、と思う
- 証人の供述調書には見覚えがあり、内容確認して署名・捺印した
広告掲載
- ライブドアのメニューの「結婚」などの項目にリンクしたのは、バナー広告掲載の後なので 11 月中旬以降
- 岡崎氏に「消費者金融会社マルフクの広告を出してくれ」と言われたときに、広告費を取るつもりはなかった
- 9 月 27 日の丹澤氏から証人を初めとする執行役員へのメールには、「9 月決算のため、各事業部で計上して下さい」として、メディア事業部の部分に「6000 万円 * 3 ヵ月 = 1 億 8000 万円(税抜)」とあるので、仕事が貰えると思ったが、7, 8, 9 月は過ぎていたので 10 月になった
堀江被告と証人の関係
- (「他の証人は、『戦略会議で堀江被告に注意された』と証言している」との検察側に対し)証人もよく詰められた
- 堀江被告の理屈が正しくないときは不満があったが、正しいことが多かった
- 証人は、堀江被告に悪い感情を持っていないし、仲も悪くない、と思う
- 一部の人は、プライベートでも堀江被告と揉めていた
- 堀江被告を尊敬できるところはある
- 事件以降は会っていないので、判決は別にして反省がなければ尊敬できない
- 証人が知っている堀江被告に対しては、部分的に尊敬している
- 慣例や前例に惑わされずに、自分が正しいと思えば、エスタブリッシュメント層に対して挑戦するところ
- 堀江被告を尊敬できないところもある
- 女性関係や朝の遅刻
- 証人は、堀江被告に好意を持っていた
- 現在、堀江被告がどう思っているのか聞きたい
出会い系サイト運営会社キューズ・ネットからメディア事業部への売上
- (「『実際に掲載した広告を金額に換算するのは、難しい』のに『見合っている』とは、どういうことか?」との裁判官に対し)1 億 3500 万円以上の価値があったかもしれない
- 広告を金額換算したことはないし、1 億 3500 万円から広告量を求めたこともない
堀江被告と証人の相談
- 堀江被告は席が隣だったので、メディア事業部の仕事について、堀江被告に相談したことはある
- 出会い系サイト運営会社キューズ・ネットの 1 億 3500 万円や消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)の 3 億 1500 万円については、堀江被告に相談していない
- (「宮内被告は、『経常利益を 50 億円にするためだった』と証言している」との裁判長に対し)利益が足りないのは知っていたが、経常利益 50 億円とは証人は認識していなかった
