「『第三者機関が算定』と虚偽記載」ライブドア事件証人・塩野 誠氏への検察側主尋問
証人の業務
- 平成 15 (2003) 年 4 月にオン・ザ・エッヂ(現・ライブドア)に入社し、キャピタリスタ(現・ライブドアファイナンス)に出向した
- ベンチャー投資や M & A に関する業務に従事した
出版社マネーライフの買収
- 買収交渉を担当した
- 平成 16 (2004) 年 2 月末に、サイビズ(出版社マネーライフの旧株主)から持込まれた
- 定例会議出席者 ML に、毎週の進捗状況を報告した
- 堀江 貴文被告(ライブドア前社長)も、含まれていた
- 3 月 24 日頃、デュー・デリジェンスを行った
- 出版社マネーライフの売上利益から、企業価値は 4000 〜 5000 万円と評価された
- デュー・デリジェンスの結果は、堀江被告にもサイビズにも連絡した
- 4 月 27 日のライブドアファイナンスの定例会議で、4200 万円で買収することを報告した
- 堀江被告も、出席していた
- ファンドを用いて 4200 万円で買収することが了承された
- 堀江被告に、何か言われた記憶はない
- 経営陣から異議はなく、「ライブドアファイナンスが買収するといい」と言われた
- 最終的に、VLMA 2 号投資事業組合が 4200 万円で買収した
- VLMA 2 号投資事業組合の業務執行組合員は、バリュー・リンク
- バリュー・リンクは出版社マネーライフ株を取得する主体だが、買収交渉やデュー・デリジェンスや意思決定には関与していない
- 6 月 3 日の定例会議で、VLMA 2 号投資事業組合が 4200 万円で買収する旨を報告した
- 議事録にも、記録されている
- 堀江被告に、何か言われた記憶はない
- 堀江被告が異議を唱えなかったということは、了承したのだろう
- 買収後の業務管理は、証人が行った
- 買収後、発行人を堀江被告として、雑誌を発行した
- 6 月 16 日に、証人から堀江被告へ「発行人には、編集者ではなくオーナーがなる」とメールを送信した
- オーナーは通常、大株主
- 出版社マネーライフの大株主は VLMA 2 号投資事業組合だが、ライブドアの支配下にあったので、堀江被告を発行人とした
- 同日、堀江被告から証人へ「OK」という返信メールが届いた
- 買収後、3000 万円の増資を行った
- 買収前後で、出版社マネーライフの業績に大きな変化はなかった
出版社マネーライフの売却
- バリュークリックジャパン(現・ライブドアマーケティング)の岡本 文人被告(ライブドアマーケティング前社長)に、買収する意思はないか尋ねた
- 1 回目は 8 月頃で、1 億 5000 万円を提示すると「高い」と言われた
- 「1 億円で如何ですか?」と聞くと、「まだ高い」との返事だった
- 1 億円弱が妥当、と証人は思っていた
- 9 月頃、オフィスのデスクで宮内 亮治被告(ライブドア元取締役)から、バリュークリックジャパンが買収することを聞いた
- 「出版社マネーライフは、バリュークリックジャパンが買収する。岡本被告も OK だから」「出版社マネーライフの企業価値に、バリュークリックジャパンとイーエックスマーケティング(現・ライブドアマーケティング)の合併手数料を上乗せする」と言われた
- 9 月の定例会議でも聞いた
- 宮内被告と岡本被告が、合併手数料上乗せの話をした
- 堀江被告は、「いいんじゃない」と了承した
- 最終的な売却価格は、約 4 億円だった
- 宮内被告から、「出版社マネーライフの企業価値を 4 億円で算定せよ」と指示を受けた
- 証人は「高いのではないか」と聞いたが、宮内被告は「大丈夫。岡本被告も社長も OK だから」と答えた
- 宮内被告の指示通り、企業価値が 4 億円になるように株式交換比率算定書を作成した
- ディスカウント・キャッシュ・フロー DCF モデルの計算式の数値を調整することにより、企業価値を 1 億円弱から 4 億円にすることができる
- 純資産価値や類似他社との比較による方法では無理なので、DCF モデルを用いた
- 株式交換比率をバリュークリックジャパン 1 株に対して、出版社マネーライフ 0.7499 株と算定して、宮内被告に報告した
- 宮内被告は、「株式交換比率を 1 : 1 にできないか」と言った
- 株式交換で発行されるバリュークリックジャパンの株数が増えるから
- バリュークリックジャパンの平均株価を求める期間を変えて、株式交換比率を 1 : 1 にした
- 株式交換比率を 1 : 1 にすることだけを目的として、期間を変えた
- 過去 3 ヵ月から 30 日間にした
- 株式交換比率算定書に、買収から 1 年後の経常利益予想を 3900 万円と記述した
- 買収当時の経常利益は 1200 〜 1300 万円であり、現実的ではない
- 4 億円の企業価値に沿うように、3900 万円とした
- 10 月 25 日付のバリュークリックジャパンの出版社マネーライフ買収に関する IR 情報では、「株式交換比率は第三者機関が算定」とあるが、宮内被告の指示を受けた証人が作成した
携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズの買収
- ライブドアファイナンスのシニア・マネージャーとして、買収交渉を担当した
- 宮内被告や中村 長也被告(ライブドアファイナンス前社長)が上司で、彼らの指示の範囲内で担当して、全て報告した
- 堀江被告にも、定例会議や ML で報告した
- 意思決定には、堀江被告・宮内被告・中村被告の承認が必要だった
- 株式交換を用いて 8 億円で買収することを MKS パートナーズ(携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズの旧株主)に提案した
- MKS パートナーズは現金による買収を希望していたため、意向が合わなかった
- 10 月頃、宮内被告に渡された手書きの株式交換スキーム図をパワーポイント PowerPoint で清書した
- 第 1 スキーム図は、作成直後に宮内被告と中村被告に渡した
- 第 1 スキーム図の内容は、10 月の定例会議で堀江被告にも報告した
- 出席者全員に、第 1 スキーム図を配布した記憶はない
- 当時の定例会議では、堀江被告と宮内被告が隣合って座っていた
- 宮内被告と中村被告が第 1 スキーム図を持って来た記憶も、持って来なかった記憶もない
- 第 2 スキーム図は、10 月中旬に作成した
- 第 1 スキーム図の直後に作成した
- ライブドア株を貸借する主体が、ライブドアファイナンスからファンドに変更された
- 株式交換スキーム考案者の野口 英昭氏(エイチ・エス証券副社長/強制捜査後に沖縄で死亡)が、インサイダー取引の可能性を指摘したため
- 株式交換比率は、ライブドアの過去 3 ヵ月間(7 月 11 日〜 11 月 10 日)の加重平均株価を用いて算定した
- 当初、株式交換の評価額は「12 万円と契約前日の株価の高い方」で MKS パートナーズと合意していたが、中村被告の指示で変更された
- 最初に、1, 3, 6 ヵ月の単純平均株価を算出して、中村被告に報告した
- 10 月 27 日の証人からエイチ・エス証券の子会社の日本 M & A マネジメント (JMAM) の角田 幸治代表取締役と小沢 隆取締役へのメールに、1, 3, 6 ヵ月の単純平均株価を計算したエクセル Excel ファイルを添付した
- 加重平均株価を算出したのが、証人か定かではない
- インターネット上の株価データをエクセルに入力して、加重平均を求める
- ファイルは見付かっていないが、削除した記憶はない
- 中村被告が算出したのではないか、と思う
- 株式交換比率算定書の計算部分を作成した
- 11 月中旬に、3 ヵ月の加重平均株価を用いることを中村被告に聞いた
- イーバンク銀行が出資して組成するファンドが、株式交換スキームで用いるファンドに出資する話もあった
- 「イーバンク銀行が出資して組成するファンド」とは、EFC 1 号投資事業組合
- EFC 1 号投資事業組合に触れている 11 月 18 日のメールの直前に知った
堀江貴文ライブドア事件裁判傍聴記 >
ライブドア事件第 17 回公判傍聴記 >
「『第三者機関が算定』と虚偽記載」ライブドア事件証人・塩野 誠氏への検察側主尋問