「堀江被告『やり切るしかない』」ライブドア事件証人・熊谷 史人被告への検察側主尋問

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「堀江被告『やり切るしかない』」ライブドア事件証人・熊谷 史人被告への検察側主尋問

出会い系サイト運営会社キューズ・ネットと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)からの売上

  • 平成 16 (2004) 年 5 月 20 日公表の中間決算短信で、9 月期の連結経常利益を 30 億円から 50 億円に上方修正した
  • 8 月頃、50 億円は難しい、と感じていた
  • 8 月上旬か中旬に、宮内 亮治被告(ライブドア元取締役)と立ち話で、「今期、数字大丈夫かな」と相談を始めた
    • 宮内被告に「熊ちゃん、出会い系サイト運営会社キューズ・ネットと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)を使うから」と言われ、「それで行きましょうか」と応じた
      • 出会い系サイト運営会社キューズ・ネットが話に出たのは確実だが、消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)は出なかったかもしれない
  • 8 月上旬の戦略会議で、5 〜 10 億円不足していた
  • 8 月中旬か下旬の何かの会議の後に、堀江 貴文被告(ライブドア前社長)と宮内被告と証人が残り、「出会い系サイト運営会社キューズ・ネットと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)を使います」と話した
    • 出会い系サイト運営会社キューズ・ネットが話に出たのは確実だが、消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)は出なかったかもしれない
    • 普通の実体取引として、出会い系サイト運営会社キューズ・ネットと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)からライブドアに発注するのだろう、と思っていた
      • 実体を伴う発注ならば堀江被告に報告する必要はないが、堀江被告の直轄のメディア事業部などが受注するから報告した
      • 当時は深く考えなかったが、実体を伴う発注だけで 10 億円の不足を補うのは難しいかな、と今は思う
    • 堀江被告は少し悩んだ顔で、「やり切るしかない」と言った
      • 出会い系サイト運営会社キューズ・ネットと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)から受注して、50 億円の連結経常利益を達成するのだろう、と理解した
  • 8 月 5 日公表の 9 月期の第 3 四半期連結状況では 29 億円で、21 億円不足していた
    • 第 3 四半期通期の連結経常利益 34 億円
    • 第 3 四半期通期の連結経常損失 5 億円強
      • 7 月の連結経常損益 - 3 億 7700 万円
      • 8 月の連結経常損益見込 - 1 億 7800 万円
    • 数字が控え目なので、出会い系サイト運営会社キューズ・ネットと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)からの発注がなくても 8, 9 月に 10 億円くらいの利益が出て、不足分が減る、と思っていた
      • ライブドアは、3 月や 9 月の期末に利益が出ることが多い
  • 出会い系サイト運営会社キューズ・ネット元社員の角田(つのだ) ケンイチ(表記不明)氏が起案した稟議書は 9 月 8 日付が 1 通、10 月 7 日付が 3 通あり、後者は日付を遡って作成しているが、堀江被告は承認した
    • 出会い系サイト運営会社キューズ・ネットと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)からの売上は架空ではない、と堀江被告は思っていたのではないか
      • 「堀江被告は架空と認識していた、と思う」という供述調書に署名したが、今考えると、証人もそう思わなかったから、堀江被告も思わなかっただろう
      • 「やり切るしかない」の時点でも同様で、供述調書には署名したが言い過ぎた
  • 11 月 2 日の久野 太辰被告(港陽監査法人公認会計士)から証人へのメールには、以下について「売上計上が株式交換締結以降なので、消去をお願いします」とあった
    • 出会い系サイト運営会社キューズ・ネットからの売上 9 億 2000 万円
    • 消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)からの売上 11 億円
    • 消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)からイーエックスマーケティング(現・ライブドアマーケティング)への売上 1 億 2000 万円
  • 11 月 4 日の久野被告から証人へのメールで、以下の指摘を受けた
    • 出会い系サイト運営会社キューズ・ネットと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)は実質子会社なので、売上を消去する
    • 架空売上ではないか
  • 11 月 4 日は仙台にいたので、5 日頃に丹澤 みゆき氏(ライブドア執行役員)に聞くと、「出会い系サイト運営会社キューズ・ネットと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)からの売上を消去すると、15 億円くらい足りない」と言われた
  • 久野被告に呼ばれて、会議室で 2 人で話した
    • 久野被告「実際のところ、どうなの?」
    • 証人「見ての通りです」
    • 久野被告「どうしたいの?」
    • 証人「出会い系サイト運営会社キューズ・ネットと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)からの売上を認めてほしい」
    • 久野被告「監査が厳しくなっているから、自分だけではどうにもならない。会計士全員の会議でないと分からない」
  • 出会い系サイト運営会社キューズ・ネットと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)からの売上は、完全な架空で何もしなかったのではなく、一般よりも高かった
    • あるべき帳簿類はなかった
  • 久野被告から指摘を受けた後の 11 月上旬か中旬に、各事業部にヒアリングを行った
    • 平成 16 (2004) 年 9 月期は 4 億円不足
    • 平成 17 (2005) 年 9 月期は 6 億円不足
    • 架空売上は 4 億円
    • 証人の裁判で述べた数字と違うのは、感覚的なものだから
  • 出会い系サイト運営会社キューズ・ネットと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)からの売上を消去することも考えたが、実行しなかった
    • 「速報値から 2 週間後に下方修正すると、株価操縦や風説の流布に当たる」と、会計士と話した
  • 11 月上旬か中旬に、堀江被告の席で「監査から出会い系サイト運営会社キューズ・ネットと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)からの売上を指摘されて、経常利益が 15 億円くらい不足するかもしれません」と報告した
    • 連結消去と架空売上についても、話した
    • 堀江被告に苦しそうな表情で「熊ちゃん、頑張って」と言われ、「頑張ります」「やっておきます」と答えた
      • 帳票作りも含めて監査をどうにか乗切ってほしい、という意味に理解した
    • 堀江被告は架空売上を認識していた、と思う
  • 帳票は各事業部に依頼して作成し、無事に連結経常利益 50 億円で監査の承認を得た
    • 帳票は合っていても、少なからず何かやっているな、と思われただろう

携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズとの株式交換

  • 平成 15 (2003) 年 10 月下旬か 11 月上旬に、何かの打合せの後で堀江被告と 2 人で話した
    • 野口 英昭氏(エイチ・エス証券副社長/強制捜査後に沖縄で死亡)から聞いた株式交換の話をして、「貸株を手伝ってほしい」と証人が言うと、「知ってる知ってる。聞いてる」と堀江被告は答えた
      • 株式交換スキームの具体的な説明はしていない
    • 堀江被告が「大丈夫かな」と言ったので、「大丈夫じゃないですか。野口氏も中村 長也被告(ライブドアファイナンス前社長)も『大丈夫』と言っていますから」と答えた
      • 「大丈夫」とは、インサイダー取引や大量保有報告書の 5 % ルールなどリーガル面全般