「堀江被告『すごいですね。気持ち良いです』」ライブドア事件証人・中村 長也被告への検察側再主尋問
携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズとの株式交換
- 平成 15 (2003) 年 10 月上旬に、堀江 貴文被告(ライブドア前社長)に報告した
- 株式交換スキームを考案したのは、野口 英昭氏(エイチ・エス証券副社長/強制捜査後に沖縄で死亡)
- 10 月下旬に野口氏の事務所で、宮内 亮治被告(ライブドア元取締役)・証人・塩野 誠氏(ライブドア証券取締役副社長)が株式交換スキームを変更する打合せを行った
- 10 月下旬に、野口氏がホワイトボードに図を描いて、変更後の株式交換スキームを堀江被告に説明した
- 反対尋問で「内容は印象に残っていない」と証言したのは、「一言一句覚えていない」という意味で、説明を行ったことは間違いない
- 野口氏は、株式交換スキームを以下のように説明した
- ライブドアファイナンスが、野口氏の組成したファンドに出資する
- 堀江被告が、ライブドア株をファンドに貸す
- ファンドが、借りたライブドア株を市場で売却して得た現金を MKS パートナーズ(携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズの旧株主)に支払う
- MKS パートナーズが、ライブドア株の発行後にライブドア株をファンドに渡す
- ファンドが、ライブドア株を堀江被告に返す
- ファンドが、利益をライブドアファイナンスに配当する
- ライブドア株を市場で売却するファンドに、イーバンク銀行やイーバンク銀行のファンドが出資する話は 10 月下旬にはなかった
- 11 月中旬に、宮内被告が「ライブドアの子会社になる予定のイーバンク銀行に利益を」と言っていた
- ライブドアとイーバンク銀行の関係が良好でなかったため、11 月中に立ち消えになった
- 10 月 27 日の塩野氏のメールで、ライブドアの株価を算定した
- 10 月 10 日から 1, 3, 6 ヵ月遡って平均株価を計算すると、それぞれ 83595, 68346, 52799 円
- 証人か野口氏が加重平均に計算し直すと、9 万円前後になった
- インターネット上のデータと表計算ソフトを使えば、5 分か 10 分で計算できる
- ライブドアファイナンスの投資事業予算案の投資有価証券売上高として、18 億円(20 万円 * 9000 株)を 12 月と 1 月に 9 億円ずつ計上した
取調べ
- 平成 18 (2006) 年 1 月 23 日に、証人はライブドア案件で逮捕された
- 2 月 13 日に、バリュークリックジャパン(現・ライブドアマーケティング)案件で起訴された
- 2 月 22 日に、バリュークリックジャパン案件で再逮捕された
- 起訴後再逮捕されるまで任意で取調べを受け、供述調書を作成した
- パシフィック・スマート・インベストメント PSI やパイオニア・トップ・インベストメント PTI について、検察官にも尋ねられた
- 1 回目の逮捕後しばらくしてから、M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合の業務執行組合員を PSI に変更した理由を聞かれたが、PSI に関する資金の流れについては聞かれなかった
- PSI から PTI への資金移動や人材派遣会社トライン株について供述したのは、2 回目の逮捕拘留中
- 拘留 10 日間と延長 10 日間のうち、延長後の期間
人材派遣会社トラインとの株式交換
- 携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズや消費者金融会社ウェッブキャッシング・ドットコムと同様の株式交換スキームであることは、堀江被告も知っていた
- 平成 15 (2003) 年 12 月下旬か平成 16 (2004) 年 1 月上旬の定例会議で、証人か中野 正幾氏(ライブドアファイナンス社長)が「携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズと同様の株式交換スキームでやります」と報告した
- 定例会議の議題は事前にメールで連絡することがあり、人材派遣会社トラインについても証人が 11 月 25 日に、堀江被告やライブドアファイナンスの出席者を含む ML に「カーターと同様の株式交換スキームで行う」と送信した
- 上記メールは、証拠物として押収された堀江被告のパソコンに残っており、印字したものを検察官に見せられた
- 証人は当時、周囲やメールの受信者に M & A に関係しない人間がいるとき、携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズを「カーター」という隠語で呼んでいた
- 定例会議で堀江被告は、「了解」「分かりました」と了承した
M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合
- 反対尋問で、「M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合の口座の資金移動権限は、野口氏にあった」と証言したが、野口氏が自由に資金移動できた訳ではない
- 資金は出資者であるライブドアやライブドアファイナンスのものなので、移動時期や金額をライブドア側が判断して野口氏に伝え、野口氏はそれに従って手続きを行った
携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズや消費者金融会社ウェッブキャッシング・ドットコムとの株式交換のための新株
- 売却状況をメールで堀江被告に報告した
- 堀江被告は「すごいですね。気持ち良いです」と返信し、口頭でも言われた
- 現在、このメールは発見されていないが、間違いなく受信した
- メールが残っていないのは、証人の当時のパソコンは不具合で交換したからか、メールを定期的に削除していたからか、メールソフトの調子が悪くて消去されたからだと思う
- 古いパソコンは新しいパソコンと併用していた時期もあるが、後に廃棄したので押収されていない
出版社マネーライフ
- 反対尋問で、「出版社マネーライフをファンドで買収する話が出たのは 5 月」と証言したが、詳しい時期は覚えていない
- 買収主体は、ライブドア→ライブドアファイナンス→ファンド→VLMA 2 号投資事業組合と変化した
- 主体が変わると、相手先とトラブルになる可能性もあるが、サイビズ(出版社マネーライフの旧株主)との間にはなかった
- ライブドア内ではファンドで買収することになっても、サイビズには「ライブドアやライブドアファイナンスが主体」と言っていた
- 主体が VLMA 2 号投資事業組合になることを伝えたのは、契約直前だと思う
- 証人の経験則として、売り手側の気持ちが売却に固まると、主体の変化は M & A に影響しない
証券システム会社インタートレード株売却
- 9 月期中に、証券システム会社インタートレード株を売却した
- 反対尋問で、「簿価が上がっていたので、売却しても利益が見込めなかった」と証言した
- 平成 15 (2003) 年 9 月に、ファンドが野口氏のファンドに相対で売却して利益を得て、翌期に同額で買戻した結果、簿価が上がっていた
- 野口氏のファンドにはライブドアファイナンスとエイチ・エスインベストメントが出資しているが、ライブドアファイナンスがほとんど出資している
- 9 月の売却は、ライブドアの連結経常利益が足りなかったから先取りした
イーバンク銀行株売却
- 反対尋問で、「平成 16 (2004) 年 9 月に、イーバンク銀行株を売却した」と証言した
- スイスのエバトン・エクイティに相対で売却して利益を得て、平成 17 (2005) 年 9 月に同額で買戻した
- 証人は、エバトン・エクイティをライブドアのシェルカンパニーと認識していた
- 利益の先取りだった
JMAM サルベージ 1 号投資事業組合
- ライブドアが、出会い系サイト運営会社キューズ・ネットと消費者金融会社ロイヤル信販(現・ライブドアクレジット)を買収するために組成した
- 資金は VLMA 2 号投資事業組合から送金した 10 億円と、クレディ・スイス銀行からライブドアの預金を担保とした借入金
- 直接の出資者は、VLMA 2 号投資事業組合と業務執行組合員である M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合とエバトン・エクイティ
- 宮内被告が堀江被告に報告する場に証人もいたので、堀江被告は知っていた
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