「堀江被告『ファンド儲かっているね』」ライブドア事件証人・中村 長也被告への検察側主尋問

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「堀江被告『ファンド儲かっているね』」ライブドア事件証人・中村 長也被告への検察側主尋問

消費者金融会社ウェッブキャッシング・ドットコムとの株式交換

  • 携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズの場合と同様であることは、堀江 貴文被告(ライブドア前社長)も知っていた
    • 平成 15 (2003) 年 12 月上旬か中旬に、ライブドアファイナンスの定例会議で石橋 航太郎氏(ライブドア執行役員)が株式交換スキーム図を使って報告した
    • 堀江被告が株価下落による損失が出ないか心配していたので、宮内 亮治被告(ライブドア元取締役)が払拭するようなことを言ったが、具体的な言葉は思い出せない
      • 平成 16 (2004) 年 3 月中旬の売却までに、株式交換時点の株価である 17 万円を下回らないか
    • 携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズの場合と異なり、ファンドがライブドア株をどうするか描いていないが、堀江被告は質問しなかった、と思う
      • 野口 英昭氏(エイチ・エス証券副社長/強制捜査後に沖縄で死亡)が、携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズとの株式交換スキームについて説明をしており、ほぼ同じなのでもう理解していたからだろう
    • 堀江被告は、「はい」「分かりました」と了承した

携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズとの株式交換

  • 堀江被告に借りた 5100 株は、平成 15 (2003) 年 11 月 28 日に VLMA 1 号投資事業組合の口座に入庫した
  • 5000 株は、12 月中に売却した
    • 12 月 31 日のライブドア株の 100 分割による権利落ち前に売却しよう、と思った
    • ライブドアが判断して、証人が野口氏を経由してバリュー・リンクに指示した
      • 「権利落ちまでに、なるべく高く売却して下さい」と野口氏に伝えると、野口氏も株式分割のことを知っていた
      • 売却株価について、当時の株価と同じか少し高い「27 〜 28 万円以上」と言ったかもしれない
    • 野口氏は、言われた通りに売却したことを証人に報告した
      • 12 月上旬に 3000 株を約 9 億円で売却した
      • 少し後に残りも売却して、総額 13 〜 14 億円になった
      • 権利落ちまでに 5000 株全て売却した
      • 5000 株の売却後、利益を書面で受取った
      • 売り始めの報告もあった、と思う
      • 証人から問合わせたこともある
    • 12 月中旬に、堀江被告がライブドアファイナンスの宮内被告や証人の席の傍に来たときに、報告した
      • 堀江被告が宮内被告に「株価どうなっている?」と聞くと、宮内被告が証人に「社長から借りた株どう?」と尋ねた
      • 証人が「10 億円超しました」と答えると、堀江被告は「そんなに儲かっちゃったの。すごいね」と言った
    • 売却総額 13 億 3600 万 6524 円
      • ライブドアファイナンスの平成 16 (2004) 年 9 月期の第 1 四半期予算に計上し、ライブドアの連結利益にも反映させた
      • ゼネラル・コンサルティング・ファームの菅野 健太郎氏のアドバイスで、科目は「投資事業組合等管理費」とした
  • その後、携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズとの株式交換と消費者金融会社ウェッブキャッシング・ドットコムとの株式交換で新株発行して売却したライブドア株は 89 万株
    • 携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズとの株式交換で 9100 株発行
    • 消費者金融会社ウェッブキャッシング・ドットコムとの株式交換で 4800 株発行
    • 12 月に 5000 株売却済
    • 12 月 31 日に 100 分割
    • (9100 + 4800 - 5000) * 100 = 89 万株

9 月期の予算

  • 平成 15 (2003) 年 11 月 19 日に、ライブドアの平成 16 (2004) 年 9 月期の決算短信を発表した
    • ライブドアの連結経常利益予想額は 20 億円
    • 消費者金融会社ウェッブキャッシング・ドットコム分は、考慮されていない
  • 2 月に 30 億円に上方修正した
    • 上方修正することは、1 月下旬か 2 月上旬に丸山 サトシ(表記不明)氏(ライブドア元社員)から聞いた
    • 丸山氏に、「社長から『ケイツネ 30 にしろ』と言われたので、ライブドアファイナンスの携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズと消費者金融会社ウェッブキャッシング・ドットコムで、何とかしてくれませんか?」と言われた
      • 「ケイツネ 30」とは、「ライブドアの連結経常利益 30 億円」のこと
      • 従来の予算に、投資有価証券売上高 24 億円と投資有価証券売上原価 12 億円を上乗せした(粗利 12 億円)
      • 携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズと消費者金融会社ウェッブキャッシング・ドットコムの買収金額は 8 億円と 8 億 5000 万円で、投資有価証券売上原価との差額 4 億 5000 万円は第 1 四半期で計上していた
  • 丸山氏が証人の席に来て、「再度、上方修正してほしい」と言った
    • 丸山氏が自分の意思で来たのではなく、堀江被告の「ライブドアグループ全体の予算を上方修正しろ」という指示で来た、と認識した
      • ライブドアの根幹に関わることなので、一社員ではなく代表者でなければ、修正は無理
    • 理由を聞くと、丸山氏は「ライブドアの連結経常利益を 30 億円に上方修正したいが、ライブドアファイナンス以外の事業部の予算が 3 億円前後達成できない」と答えた
    • 傍にいた宮内被告が、「他の事業部で利益を出すように」と言った
    • 証人は売却益をもう少し計上できると思ったが、再度の依頼に憤りを感じたので、「無理」と断った
    • 丸山氏は、ションボリして自席に戻った
  • 最終的には、丸山氏の依頼に応じた
    • ライブドア代表者の堀江被告の指示であり、会社の指示だから従わねばならず、担当者にすぎない丸山氏を責めても仕方なかった
    • 粗利を 15 億円にした
    • 丸山氏に伝え、ライブドアの 9 月期の業績予想を 30 億円として公表した

株式交換スキームの変更

  • M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合が堀江被告から借りたライブドア株は、VLMA 1 号投資事業組合の口座に入庫した
  • 平成 16 (2004) 年になってから、株式交換スキームやファンドを変更した
    1. M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合の業務執行組合員をエイチ・エスインベストメントからパシフィック・スマート・インベストメント PSI に変更した
      • PSI は野口氏の会社だが、活動実態はなかった
      • 1 〜 3 月に、野口氏が「証券会社が香港にあるので、資金移動しやすく、株式交換スキームが対外的に分かりにくくなる」と考案した
      • 定例会議の合間に、堀江被告に「M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合の業務執行組合員ですけれど、香港にある野口氏の会社に変更します」と言って、理由も説明した
      • 堀江被告は、「了解」「分かりました」と答えた
    2. ライブドアファイナンスと M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合の間に、EFC 投資事業組合を入れた
      • EFC 投資事業組合は、3 月上旬に設立した
      • ライブドアとライブドアファイナンスが EFC 投資事業組合に出資して、EFC 投資事業組合が M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合に出資するようにした
      • 3 月上旬か中旬に、堀江被告に「野口氏から『ライブドアファイナンスと M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合の間にファンドを入れた方がいい』と言われた」と述べ、理由も「小林 元被告(ゼネラル・コンサルティング・ファーム代表取締役公認会計士)に『監査が通りやすい』と言われたらしい」と説明した
      • その場で、株式交換スキーム図も描いた
      • 堀江被告は、「了解」「分かりました」と答えた
    3. VLMA 1 号投資事業組合の代わりに、VLMA 2 号投資事業組合を組成した
      • VLMA 2 号投資事業組合は、3 月上旬に設立した
      • 業務執行組合員は、VLMA 1 号投資事業組合と同様バリュー・リンク
      • VLMA 1 号投資事業組合は堀江被告から借りた株を売却するファンドだったから、別のファンドを組成することを野口氏が考案した
      • 堀江被告に、「M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合が出資している VLMA 1 号投資事業組合ですけれど、社長の貸株の件があるので、別のファンドを組成します」と報告した
      • その場で、株式交換スキーム図も描いた
      • 堀江被告は、「了解」「分かりました」と答えた
      • EFC 投資事業組合と VLMA 2 号投資事業組合の報告も一緒にした、と思う
  • 3 月 12 日に、証人は松本氏へ「EFC 投資事業組合の組合契約書を提出するように」というメールを送信した
    • EFC 投資事業組合の組合契約書の表紙には、平成 15 (2003) 年 11 月 1 日の日付があるが、実際に作成したのは平成 16 (2004) 年 3 月中旬
    • EFC 投資事業組合の出資金は、1 口 100 万円
      • 書類上は、ライブドアファイナンスが 800 口 8 億円とライブドアが 1 口 100 万円を出資したことになっているが、実際は出資していない
  • 平成 15 (2003) 年 11 月 17 日付の M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合の組合契約書は、業務執行組合員をエイチ・エスインベストメントから PSI に、組合員をライブドアファイナンスから EFC 投資事業組合にそれぞれ変更したものである
    • 平成 16 (2004) 年 4 月以降、M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合の業務執行組合員は PSI とした
    • 3 月以降、ライブドアファイナンスと M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合の間に EFC 投資事業組合を入れた
    • M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合の出資金は、1 口 100 万円
      • 書類上は、EFC 投資事業組合が 800 口 8 億円と PSI が 1 口 100 万円を出資したことになっているが、実際は出資していない
  • EFC 投資事業組合・M & A チャレンジャー 1 号投資事業組合・VLMA 1, 2 号投資事業組合は、ライブドア株を売却して、利益をライブドアやライブドアファイナンスの売上にするためのファンドで、他の投資を行う余地はなかった

株式交換のための新株

  • 3 月に、携帯電話販売会社クラサワコミュニケーションズや消費者金融会社ウェッブキャッシング・ドットコムとの株式交換のための新株が発行された
    • 100 分割の後なので、それぞれ 91 万株と 48 万株
  • 堀江被告からの貸株(50 万株)を引いた 89 万株を香港のゲインウェル証券の VLMA 2 号投資事業組合の口座に入庫した
  • 入庫直後の 3 月中旬か下旬に、売却を始めた
    • 証人が「3 月中にできるだけ多く売って下さい」と指示して、バリュー・リンクが従った
    • 証人が、売却時期を判断した
    • ライブドア株は値動きが荒いので、価格変動リスクを回避するために早く売切りたかった
  • 随時、野口氏から証人に売却状況が報告され、証人は堀江被告にメールや口頭で伝えた
  • 3 月 24 日に、証人が堀江被告・宮内被告・熊谷 史人被告(ライブドア元代表取締役)へ「今日までの売却総額は 30 億 7206 万円で、利益は 21 億 8376 万 2128 円」とメールを送信すると、堀江被告は「すごいですね。気持ち良いです。行って下さい」と返信した
  • 口頭でも話した
  • 最終的に約 29 億円の粗利で、決算に取込んだ
    • ライブドアファイナンスの第 2, 3 四半期の売上に 14 億 5000 万円ずつ計上し、ライブドアの連結経常利益にも反映した
      • 宮内被告と証人が相談して、平準化した
      • 4 月の定例会議で、堀江被告は 「ファンド儲かっているね」と言っていたので、ライブドアファイナンスの第 2 四半期の売上計上について認識していたと思う
      • 宮内被告が「株価の動きはよく分かりませんから」と言うと、堀江被告は「株価はまだまだ上がる」と答えた
      • 戦略会議の資料を見ていると思うから、堀江被告はライブドアファイナンスの第 3 四半期の売上計上についても認識していたと思う